緩めて、尖らせて、また絞る。ペルソナ設定の大原則

企業ブランデイング

「緩めて、尖らせて、また絞る」。まるで手絞りで布を染める工程のようなキーワードですが、これは会社を強くする戦略の話です。

もしあなたが「感情移入を伴った、強いブランドを構築したい」と考えるなら、ぜひこれから3回にわたって解説するペルソナ設定の解説について最後までお読み頂きたいと思います。 もし、最後までお読みいただければ、ブランド戦略を成功に導くための第1のカギとなる「ペルソナ設定」について、あなたの理解は劇的に深まるはずです。

企業視点・市場視点・双方向視点という3つの考え方。

事業拡大、また新規開拓を行う際、自社商品に新しい切り口を持つことが有効です。
その時、マーケティング用語で「プロダクトアウト」と「マーケットイン」という言葉があります。プロダクトアウトとは企業視点から会社の方針や作りたいもの、作れるものを基準に商品開発を行うことを指します。一方マーケットインとは、プロダクトアウトと反対に市場視点で顧客の意見・ニーズを汲みとって製品開発を行うことを指します。この2つの違いは、プロダクトアウトは潜在的な顧客のニーズに対して、そしてマーケットインは顕在化した顧客のニーズにアプローチするものです。
このように、この2つの見解のどちらかだけを採用するというのはビジネスとして成り立つかというと微妙になってきます。
そこで今求められているのが、企業の専門性を本当に求めている人と結ぶための双方向の視点を持つことです。

マーケットインとプロダクトアウトは対比されるものではない

というのも、市場に合わせることだけに着目すると、無理に自社の専門性の土俵から出てしまうことで商品の品質が落ち、信頼を獲得し損ねてしまう可能性があります。また逆に企業の強みだけに偏ったプロダクトを必要以上なオーバースペックな商品となり、購入に至らない可能性があります。そこで事業拡大・新規開拓を希望する経営者が身に着けるべきなのは企業と顧客を結ぶ架け橋となる双方向的視点です。私たちはこの視点を「ブリッジ視点」と呼んでいます。

商品は、顧客に「選ばれる」ことが重要です。

ブリッジ視点を完成させるために欠かせないのは「ペルソナ設定」です。そして企業におけるペルソナとは自社の専門性を喜んで購入してくれる相手を指します。ペルソナを設定することでプロダクトアウトとマーケットインどちらかの視点に偏ることのない「ブリッジ視点」を持つことができます。
しかし多くの企業がこのペルソナの設定に苦戦しています。その理由は、ペルソナを急に絞り過ぎてしまうことによる不安から発生するものです。ペルソナを絞ることで売り上げが落ちることはありませんが、自社の専門性が本当に求める人物像にミリ単位の補正を行っていく必要があります。ここでついに緩めて、尖らせて、また絞る工程の出番です。


もしペルソナを決定する際、絞り過ぎてしまったのではと不安を感じる時は、ペルソナのフォーカスを緩める工程を行います。例えば「年齢を重ねても諦めない人」をターゲットとするならプロサッカー選手の三浦知良選手を象徴的な人物として掲げ、この人に憧れるのはどんな人物なのかと発想を柔軟に展開することができます。この緩める工程を持つことでもう一度自社の理想とするペルソナにフォーカスを絞っていくことができるのです。


この緩めて、尖らせて、また絞る工程を繰り返すことで、ターゲット層という大枠からペルソナというブランドのメインターゲットの希望とする姿まで細かく削いでいくことができます。こういった柔軟な発想が小さくても勝てる会社の不思議なカラクリです。ペルソナを考えることで、売り手都合のお客様からの共感を得られるような、双方向的なブリッジブランドを作っていきましょう。

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