- 2020/06/25
- 2020/06/26
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ものづくり企業の アイデンティティー 【ブランディング コラム】
なぜ今ものづくり企業にアイデンティティーが必要なのか?
例えば企業リニューアルのための講演会や、仲の良い社長さんからこんな話を聞くことはありませんか?
「これからは個人だけではなく、企業もアイデンティティーを持つ時代です!」
「そろそろうちもCI(コーポレートアイデンティティー)を見直そうかと思ってるんだよ。」
この「アイデンティティー」という言葉、これからの経営を考えるときに耳にする機会は多いかと思いますが、知っているようで上手く説明できない単語の一つだと思います。
「アイデンティティー」を辞書で引くと、他のものとは異なる「自己の同一性」、という余計に頭がこんがらがりそうな言葉が書いてあります。
また、「自己」に似た言葉で「自我」という言葉がありますよね。アイデンティティーの言葉の解釈としてはこの2つの違いを知ることが近道となります。
自分が思う自分が「自我」。
社会の中の自分が「自己」。
「自我」と「自己」についてはこのように覚えておけばいいでしょう。
プロダクト・アウトの時代からマーケット・インの時代へ
なぜ今、ものづくり企業にアイデンティティーが必要なのかというと、世界でのものの求め方が、プロダクト・アウトからマーケット・インにすっかり移行したからです。
今までは製造元主導で製品は作られていたので、プロダクト・アウトの市場ではで技術がある企業には自然と人が集まってきていたましたが
自分に必要なものだけあればいい、という感覚が定着したこれからの社会では、私たちはあれこれと新しいプロダクトへの欲が薄れ、必要なものを作るマーケット・イン市場となっています。
もし最近、「昔みたいに会社の勢いがなくなってきたな。」と感じている場合は、このマーケット・インの波に飲まれてしまっているからかもしれません。
しかし、市場がマーケット・インと呼ばれているからと言って、言われたものを言われたままで作るのではありません。
ものづくり企業の ホンネとタテマエ
会社の資金繰りのために、なんだかなぁとともいながらも、納期の厳しい案件やチャレンジ精神の掻き立てられない無難な仕事ばかりを受けている(建前)。
でも本当は、テレビ番組「ガイアの夜明け」や「カンブリア宮殿」などで特集が組まれるような業界をあっと言わせる製品を社員一丸となって作りたい(本音)。
そのために無難な仕事もコツコツこなしている。(建前)。
けれど、たまには地域で称賛されるようなものづくりがしたい(本音)。
取引先や社内に対して、本音を堪えて、建前を意識しながらやり過ごす。
この感覚は多くの現代のものづくり企業が抱えているものだと思います。
このホンネとタテマエは、理想(本当はこうしたい)と現実(こうあるべき)の狭間で揺れる感情です。
この理想を会社の方針の明確にし、経営戦略から営業手段、PRや広報などの方法、あらゆる手を尽くして現実化していくことでアイデンティティを確立することができるのです。
社会の中の「自社のアイデンティティー」はどんな姿をしているか
自社の中に眠ったまま長年ホコリをかぶっている「理想」を現実化し、企業のアイデンティティーとして確立していくためのアクションを起こすべきです。
「そう思うけど、そんなこと簡単にできないよ…。」と肩を落とす必要はありません。
それは今の時点では、本音と建前を整理する前だからです。
アイデンティティーを確立するために今までの方法や手段を変えることは、何も恥ずかしいことではありません。
マーケットに負けないアイデンティティーのあるものづくり企業づくりは、本音と建前を整理することからでも始められます。
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C-OILING(シー オイリング)
代表;大後 裕子(だいご ひろこ)
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